反響室の中と外

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Twitterまとめや書ききれなかったこと、映画の感想、日々の妄言等々。

映画視聴記録と感想・2016/05

 劇場新作及び媒体新作について、別記事を既に上げているものに関してはそちらにリンクを張って省エネ兼ネタバレ防止としています。

 旧作(概ね国内でソフトウェア販売及びレンタルが開始されているもの)については、あからさまな記述は避けますがある程度の内容への言及はご了承ください。

 公開年は全て初公開年で統一しています。

 

【新作】

ズートピア/Zootopia(2016・米)

 

○グランドフィナーレ/Youth – La giovinezza(2015・伊/仏/英/瑞)

 

○アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち/The Eichmann Show(2015・英)

 

○追憶の森/The Sea of Trees(2015・米)

 生命倫理と愛に関しては常識的なものの見方ができない自覚があるので論じません。夫婦間のすれ違いの描写、というかそれを語るアーサーの台詞によるディテールの表現が見事でした。最後に小さな希望もあり。
 インセプションのときもなんとなく思いましたが、渡辺氏は西洋人が求める日本人の姿をよく理解したうえでその演技をハリウッド映画にも馴染むようにカスタムさせて、かつステレオタイプのアジア人像に収めないようほんの少し「外して」いるように見えた。思い込みかもしれませんが。いずれにしても、「アジア人俳優の渡辺謙」ではなく「俳優の渡辺謙」として地位を築かれたのは凄まじい努力の賜物なんだろうなと素人目線からでも感じられるほど。

 

【旧作】

グランド・ブダペスト・ホテル/The Grand Budapest Hotel(2014・独/英)

 いやー、ブラックでしたね…
 ブラックコメディとは聞いていたのですが、あまり意識せずに見始めたところ窓から猫が投げられるあたりからだいぶ不穏な気配を感じ、そのあとはひたすら変に半笑いしながら見るしかありませんでした…(褒め言葉です)
 画づくりにすごく戯曲的な要素を感じたのが面白かったのと、主人公級であるはずのゼロとムスタファを含む人間どうしの「感情の交流」を敢えて誂えたようにパターン化する手法、残酷なシーンも感動的なシーンも恐ろしいほど淡々と描く演出は凄まじい異化効果でした。映画ってここまでできるんだ、と。演劇人に是非見てほしいしあわよくば舞台化してほしい。してるのかしら?

 

○パレードへようこそ/Pride(2014・英)

 グランド・ブダペスト・ホテルと合わせて借りるという今から思えば暴挙に出たものですが、こちらは正統派の事実を交えた映画。辛いことも少なくないはずの登場人物たちの日常をあくまで日常として恬淡と、時には軽快に描くことでかえって気持ちを揺さぶられるシーンが多くて、ちょっぴり涙腺を緩めながら元気になれた作品でした。アンドリュー・スコット氏演じるゲシンがいちいちかわいい(贔屓目)。
 原題の「Pride」は「ゲイ・プライド」のことですよね(作中にも言及があったはず)。そのままのほうがよかった気もしますが人それぞれか。

 

華麗なるギャツビー/The Great Gatsby(2013・米/濠)

 原作未読。喧騒の中にあればあるほどぞっとするほど醒めていく心理を、社会そのものが狂騒の中にあった時代に描いたフィッツジェラルドの「作家としての怖さ」と「自身の恐怖感」の一端に触れた気がします。
 華麗なる、とはひどい皮肉だことと思ったものですが、キャラウェイだけに書き足すことが許される単語だったのだと思えばすんなりと腑に落ちる。善人は死者ばかりか、死者ゆえに善人に仕立て上げられるのか。華麗なる、虚無の、ニューヨーク。

 

インセプション/Inception(2010・米/英)

 夢の拡張、無意識への干渉と無意識からの干渉。より深い階層への潜行とそれに伴って難しくなる「キック」の描写がすごく面白かったです。過去インターステラーを見たときは残念ながらあまり乗り切れなかったのですが、私はこちらを先に見ておくべきだったんだな…。なんとなく、インセプションで人間の「内界」を舞台に表現しようとしたことをインターステラーでは宇宙という「外界」に持っていきたかったのかな、などなど。
 あの不確定なエンディング、ああいう演出が大好きなのでそこで好感度が一気に上がった。笑